North & South by Elizabeth Gaskell   原作とドラマ 1

North And South: An Authoritative Text Contents Criticism (Norton Critical Editions)

North And South: An Authoritative Text Contents Criticism (Norton Critical Editions)

 文学作品
★★★★★ 
ギャスケル夫人版、Pride & Prejudiceとも言われるNorth & South. 原作本読了!
イングランド南部出身で、牧師の娘マーガレット・ヘイルがヒロイン(美しく倫理観が高い女性)。父親が信仰上の理由からその安定した職を辞し、イングランド北部のMiltonという繊維工業が盛んな街へ家族と共に引っ越します(このときマーガレットは17〜18歳)。そこで工場主ジョン・ソーントン氏と出会いますが、もともと商売人に偏見をもつマーガレットは、彼に対し、あまり良い印象を持ちません。ソーントン氏は逆境から刻苦勉励して工場主の地位を勝ち取った誇り高い男性。最初からマーガレットに対し好意を持つのですが、価値観の相違や誤解がもとですれ違い、苦悩します。この間、工場労働者によるストライキに始まり、ソーントン氏の工場経営も苦境に追い込まれていきます。
大きな環境変化に戸惑いながらも、ソーントン氏や労働者階級の人々と関わりながら、北の街への理解を深めていくマーガレット。家族や友人の死などを乗り越え、人間として、大人の女性として成長していく過程が描かれています。Miltonでの1年数ヶ月の生活を経て、両親の死によりロンドンの伯母の元で暮らすことになるマーガレット。ソーントン氏と再会したときには21〜22歳になっていますから、大人になったわけです。
マーガレットの両親、工場労働者ヒギンズ氏やソーントン氏の母親、ヘイル氏の恩師であるベル氏など、他の登場人物らのそれぞれの関わりも興味深いです。

面白かったけど、ああ疲れた〜!この本を最後まで読み通せたのも、ひとえに Richard Armitage(RA)様のおかげです。
イギリスで好評を博したBBCドラマのDVDを観て(amazonUKのレビューで五つ星ばかりだったので購入)、いつか原作も読んでみたいと思ったのですが、ネットで調べてみると、邦訳版の評判が最悪で(翻訳が)、おまけにギャスケル全集のうちの一冊なので高価。 どうせ読解に苦労するなら原書を読もう!と決意しました。
正直、わたしの英語力( ハリー・ポッターがちょうどよい? )では難解でした。クラシックなだけでなく、イギリス北部地方の労働者階級の人たちのせりふが北部訛りのまま(文法と音)書いてあるのはかなり読みずらかった。もしドラマを見ていなかったら、どこかで迷路に入ってしまったに違いない・・・(汗)。でも、挫折するのだけは嫌だったので、辞書は引かずになんとか読了しました。
RAはJohn Thornton役で、一躍スターになったイギリス俳優です。私もこのドラマを観てすっかり彼のファンになりました。(声もステキ)
RAがこのドラマのキャスティング前から撮影が終わるまで、ギャスケルの原作本を身近において読んでいたそうでなのですが、原作のJT氏とRA演じるJT氏のイメージは見事に重なりました。(私の場合、原作と映画&ドラマの登場人物はあまり被らないほうなのです)
原作を読まないで、脚本だけで演じた俳優さんたち、たとえば、プライドと偏見のダーシー役、マシュー・マクファディン(ファンだし、マシュー@ダーシーは大好き)、ハリポタのダンブルドア役、マイケル・ガンボンなどは、良し悪しは別として原作のイメージとはどうしても重ならないですから、Richardの"a role of a lifetime(人生最高の役)" Thorntonは原作を熟読した彼でこその演技だったのかなと感じます。

ドラマのエンディングもとても素敵だったけれど、原作のエンディングのほうが、もっとロマンチックだと思うのは私だけかなぁ?。

ステキなRA@ソーントン氏をちょっぴり観てくださいな↓↓