kuropika2007-11-13

North and South  by Elizabeth Gaskell  原作とドラマ 2 



amazon.co.ukでこの商品をみる



昨日の続きです。ネタばれがあります
 amazonで多くの方が書かれているように、Richard Armitageのソーントン役は本当に素晴らしいのですが、原作を読んでみると、マーガレットのイメージが少ながらず違うことに気がつきました。外見的には原作では白雪姫のイメージですかね・・・。色白で大きな目、カーブを描く唇・・・というあたりは、主演のDaniela Denby-Asheと重ならないでもないのですが、やはり、大きな違いは年齢かもしれません。確かダニエラさんは20台後半くらいで演じてらっしゃったような・・・。
余談ですが、ダニエラさん、せっかく美人なのだから、首がもう少し長かったら良いのに・・・とドラマを見ながら時々思いました。キーラ ナイトレイののSwanlike neckとまでは言いませんがドレス姿には長い首が引き立ちます。ダニエラさんごめんなさい・・・。

マーガレットは原作でも芯の通ったしっかりした女性ですが、それでもまだ10代ですから未熟さは隠し切れません。人前では滅多に涙を見せませんが、自室で、クッションに顔をうずめて・・・など作品中では何度も涙する場面があります。それはそうです。身近な人たちの死に直面したり、あれだけ背負っているものが重いのだから、泣かない方が不思議です。脚本が意図したところなのか、ドラマの中でDaniela Denby-Ashe のマーガレットは一度も涙をみせません。(人知れず涙していたと想像することもできますが・・・)
ソーントン氏からのプロポーズを断る場面は、BBC高慢と偏見のシーンを思い起こしますが、プロポーズの場面、ダーシー氏が去ったあとで、エリザベスが泣きますよね。エリザベスでさえ泣くのに、マーガレットは涙を見せないんですよね。ソーントン氏のプロポーズはダーシーのよりもずっと感動的です。18歳くらいの娘の感情があの程度に抑えられてしまうのはちょっと不自然な気もしましたが、脚本家さんは何か他の意図があったのでしょうか?

それから、ソーントン氏とマーガレットの出会いですが、ドラマではかなりショッキングです。というのもソーントン氏が工場で喫煙していた(常習犯的)労働者をぴどく殴って首にする場面に偶然マーガレットが通りかかるからです。原作ではソーントン氏が暴力を振るうシーンはありません。マーガレットが「商売人全般に対する偏見」を持っていることが最初に説明されているのでマーガレットのソーントン氏への第一印象が悪かったことを説明する必要はないのですが、ドラマではその後の展開のために必要だったのでしょう。

あとは、やはり最初にも書いたエンディング。railway stationでのキスシーンです。(RAファンとしてはswoonなシーンなのですが)脚本家さん自身が「ヴィクトリアンではありえない」と認めていましたが、わたしは原作のエンディングが大好きなので、RAがその場面を演じるところも観たかったです。それにいくらなんでもヘンリー・レノックスがかわいそう過ぎです(ヘンリーはマーガレットのことが好きで、弁護士としてもマーガレットに助力を惜しまなかった人。原作ではソーントン氏と再会しなければ一緒になっていたかも知れない男性です)。マーガレットったら、ヘンリーが列車の中から見ている前でキスしちゃったんですね。それを目にしたヘンリーは、諦めて無言のまま(ソーントン氏の元へ行くよう)マーガレットにかばんを渡します。原作では、マーガレットのソーントン氏への気持ちをさっした時点で二人に会うのを避けたヘンリーでした。


とにかくお勧め作品! ドラマも原作もとても良かったです。
Thanks to foolishpassion.com