お勧め歴史ドラマ:The White Queen

 

イギリスの歴史ドラマ好きの方にお勧めのBBCドラマ。
最初は特に贔屓の出演者がいたわけでもなく観始めた私もすっかりハマってしまった。何が魅力だったかというと、時代の一言。
チューダー朝やエリザベス朝を扱ったドラマや映画はいくつもあるけれど、その前のばら戦争時代のものはシェイクスピアのリチャード3世以外では皆無に近かったのではないかと思う。ヨーク家とランカスター家の争い、リチャード3世…ある程度聞いたことはあっても詳しい人は少ないだろう。
人物相関も非常に複雑なので予習が必要だったが、だからこそとても興味深く観ることができた。もしかしてリチャード三世を極悪人として描いてない初めての作品ではないだろうか?

アマゾンのレビューにも書かれているが、確かにいくつか気になった点はある:エドワード四世とエリザベス・ウッドヴィルの出会いからボズワースの戦いまで約20年間を描いているわりにほとんどのキャストが年をとっていないように見えるとか、エドワード4世役のMax Ironsがカリスマ性というか王らしさに欠ける(ファンの方、ごめんなさい)、衣装が多少時代にそぐわない(明らかにジッパーが見えるドレスや現代風のキルティングジャケットなど)、原作を元にしているから仕方ないが王妃や王妃母が魔術を使ったり呪いをかけたりする場面が多い…など。

グレゴリーの原作に対する好き嫌いはあると思う。アナクロニズムに関しては、ドラマはエンタテイメントのためにあるのだからある程度割り切ってみるべきだし、皆があの時代の髪型を真似てタイツをはいていたらぜんぜん格好良くなかったと思う。( バッキンガム公だけ変な髪型にされていたような…)

個人的には、美形なのにいつも悪役のDavid Oakesや、それまで知らなかった俳優、グロスター公リチャード(後のリチャード三世)役のAneurin Barnard(彼だけは少年時代から最期まで年齢相応に見えた)と、アントニー・ウッドヴィル役のBen Lambの好演が想定外の収穫?で、ドラマを見終わったあともしばらく余韻に浸り、リチャード三世関連本を読みあさったり、続編のThe White Princessを読んだりしている。