A Matter of Class

A Matter of Class

A Matter of Class

ヒーローは裕福な商人の一人息子Reggie。ヒロインは伯爵の一人娘Annabelle。
身分違いのカップルのスウィートなロマンスです。
以下ネタばれあります

イングランド北部出身のMr Bernard Masonは炭坑業で財をなし、上流社会への仲間入りを夢見てウィルトシャーに居を構えましたが、隣人のAshton(Havorcroft伯爵)に冷たくあしらわれてしまいます。以来30年間、Mason家とAshton家は犬猿の仲で互いの存在を無視し続けてきました。
Mr Masonは自分が叶えられなかった夢を息子のReggieに託し、Oxfordに学ばせ、紳士としての教養や身だしなみすべてを身につけさせます。
伯爵の美しい一人娘Lady Annabelleは、財政難に苦しむ父親が望む通りに裕福な侯爵と結婚するか思われていましたが、ある日、父親の御者と駆け落ちするという大スキャンダルを引き起こしてしまいます。道中で見つかり連れ戻された時は既に遅し。醜聞が世間を駆け巡っており、もう評判の回復は望めない状況に陥ってしまいます。
Reggieの父親は、願ってもないチャンスだとばかりにReggieとAnnabellaの縁談話をHavorcroft伯爵に持ちかけます。伯爵はプライドをズタズタに引き裂かれながらも渋々同意します。
そして、父親に二者択一を迫られる当人たち…
ギャンブルで作った借金があるReggieの場合「Lady Annabelleと結婚しなければ経済的援助を打ち切る」。Annablleの方は「結婚の申し込みを受けるか、そうでなければ地方にあるAshton屋敷の部屋係にさせる」というもので、どちらにとっても選択の余地はあってないようなもの…。
こうして、教会で同席しても互いの顔さえ見なかったMason家とAshton家の奇妙な交流が始まります。



一応、中編小説(novella)ですが、思ったより短くて(行間がたくさん空いてる)一日で読んでしまいました。
普段のBalogh作品とちょっぴり趣が異なる、軽快なタッチで描かれたユーモラスで心温まるロマンスでした (Baloghファンならば、彼女がこうい作品も描けるというのは周知の事実だと思いますが)。
結婚話が進む中、幼い二人の出会いに始まる10年から数年ごとのフラッシュバック場面が挿入されていて、最後には、やっぱりBaloghは上手いなぁと思わせるひとひねりがあります。
Huxtableシリーズを読み続けてちょっと疲れてしまった私ですが、思いがけないプレゼントをもらったような気持ちにさせられた作品です。
9/10