Mr Darcy,Vampyre

Mr. Darcy, Vampyre

Mr. Darcy, Vampyre

ヒストリカル(sequel of Jane Austen's Pride & Prejudice) 5.5/10
amazon.com ★★★(21 Reviews)
5 star: (3)
4 star: (5)
3 star: (5)
2 star: (3)
1 star: (5)

オースティン・ヒーローの日記シリーズで有名なイギリス人作家Amanda Grangeの作品。 彼女の作品はけっこう地味だという印象を持っていたので、ヴァンパイアものだとどんな感じになるのか興味がありました。 イギリスロマンス作家の某ブログでインタビュー記事を読み、早々に予約してあった作品ですが・・・うーん、いくつかのレビューが公開されるまで待ったほうがかったかなぁ…とちょっぴり後悔。

ストーリーはダーシーとエリザベスの結婚直後から始まります。
ダーシーからの提案で新婚旅行は当初予定していた湖水地方ではなく、ヨーロッパツアーへと変更になります。
エリザベスはダーシーの何だかよそよそしい態度が気になります。結婚初夜にもエリザベスの部屋に来なかったダーシーに対し、「本当にこの人と結婚してよかったのだろうか…」と不安を覚えながら、姉のジェーンに手紙をしたためます。
旅先でダーシーの親戚を中心にいろいろな人々に会ったり、ミステリアスな出来事に遭遇したりします。
これらの出会いや出来事はすべて一本の糸で繋がっていることが最後にはわかるのですが、物語の3/4くらいまでは、エリザベスがダーシーの正体に気付かないまま話が進みます(進まないとも言えるかも)。 
パリやスイスアルプス、ヴェニスなどを観光している描写が延々と続く感じです。場景をイメージできる読者にとってはそれも魅力かと思いますが、私にはさっぱりだったので、読み進むのに非常に苦労しました(^^;

それに、ミスター・ダーシーがエリザベスのことを好きで好きでたまらなくて、自分がヴァンパイアだという事実を隠したまま「どうにかなるさ」的な結婚をしたということを、私は最後まで受け入れられませんでした。 原作での最初のプロポーズシーンからハッピーエンドまでの展開が台無しじゃない?と思うわけですよ。
さすがGrangeらしく、P&P名場面の台詞がいくつか引用されていますので、数多く出版されている続編を好んで手に取っている方は楽しめるかもしれません。でもユーモア不足、ジェットコースターなしなので、ロマンス小説をたくさん読んできた読者には物足りないのでは?と思います。
*この作品に「パラノーマル・ロマンス」を期待して読んではいけません。
キスシーンはありますが、sensual度はYA向けロマンスよりも低いです。