Cotillion

Cotillion

Cotillion

Historical novel / Regency romance (First published in 1953)  ★★★★☆

Strong-willed, impetuous Kitty and mild-mannerd, fashionable Freddy hardly seem like a match made in heaven; but when her Uncle Matthew decrees that she shall marry one of her four cousins Kitty coaxes Freddy into a mock engagement. Persuading him to take her to London, she hopes that jealousy will induce her handsome, dashing cousin Jack to propose. On being catapulted into the bewildering world of London high society, naive young Kitty soon finds herself questioning her previous judgement. Will she maintain her childhood passion for the charming, manipulative Jack, or will her engagement to Freddy turn into to be real after all ?
Naxos Audiobook Cotillionより


どこにでもいそうな普通の女の子と普通の若者のリージェンシー・ロマンス。とても新鮮に感じました。
この作品のヒーローは、ハンサムでも長身でもないし、傲慢さのかけらもないベータタイプのFreddy。そして、ハンサムな放蕩者で、一見典型的なヒーロータイプであるJackが脇役として描かれている点が興味深いところ。
冒頭、ヒロイン Kittyが Freddyを(本人のいないところで)Stupid 呼ばわりする場面がありますが、確かにFreddyは特別頭が切れるわけでもないし、学識豊富でもありません。でも心優しくて謙虚で分別のある好人物。そんな彼がKittyのためにあれこれ奔走しているうちに人間的な深みを増して、とても魅力的な若者に成長していくんですね。Kittyが助けを必要としているときには必ず登場し、手を差し伸べてくれるなんて最高のヒーローです。跡取り息子の成長ぶりを興味深げに見守っている父親(子爵)の様子もなかなか効果的に描かれていました。
ちょっとお間抜けで意志薄弱なため、母親に思うように操られているLord Dolphintonのロマンスも(正確には相手の女性は恋はしてませんが)とても面白かったです。
Heyerは本当に脇役たちの人物描写もしっかりしていて無駄がないです。思わず笑ってしまうダイアログも多く、それでいて肝心な場面はとってもロマンチック。さすがだなあと思います。

★五つにしなかったのは、私の語彙力が足りないせいで(それに所々出てくるフランス語もチンプンカンプン)この作品の良いところをまだまだ見逃していると思ったから。 GH作品にもっと読みなれたら再読してみたいと思う一冊でした。



Cotillion (Popular Classics)こちらのAudiobookも2〜3チャプター毎に追いかける形で聴きました。短縮版なので物語の大筋をおさらいするのに役立ちました。ナレーターのClare Willeはエリザベス・ギャスケルのCranford (同じくNaxos Audiobook)でも評判が良かったようですが、やはりRADA出身の女優さん、朗読が上手いです。