First Comes Marriage
First Comes Marriage (Huxtable Quintet)
- 作者: Mary Balogh
- 出版社/メーカー: Dell
- 発売日: 2009/02/24
- メディア: マスマーケット
- この商品を含むブログ (1件) を見る
Mary Baloghの新シリーズです。
まずはHuxtableファミリーの二女VanessaとLyngate子爵Elliotのストーリー。シリーズの第一作目ということで、いくつか伏線が敷かれています。作品全体がこのシリーズのプロローグのような感じで、一話完結というよりもTo be continued...といった印象でした。
ストーリーはタイトルから想像がつくように、便宜結婚で始まるロマンス。HeyerのThe Convenient Marriageのバログ版とでも言いましょうか。全然美人じゃないヒロインがヒーローに逆プロポーズして結婚し、その後徐々に本物の愛を育んでいくという筋書き。二人の出会いの場面はPride&Prejudiceの映像がそのまま浮かんでくる様でしたが、その後の展開はオリジナル。ロマンスは大人しめでした。
性格美人なヒロイン。私の中では「笑顔が素敵なチャーミングな女性」というイメージがかなり最初のほうに出来上がっていたのに、作中では終始「美人じゃない」ことを強調されていて、そこまで言わなくても〜って思っちゃいました。ヒーローにはあまりカリスマ性を感じなかったです。ミステリアスなConの方がずっと気になる存在でしたね。彼が主人公になるスピンオフがあるんだろうな。
最近のBalogh作品は昔の作品ほどドラマチックな展開はなく、その分どんどん繊細さを増しているような気がします。それで読ませるというか、ときどき人生の参考書を読んでいるような気持にさせられます。
強い引力は感じなかったけれど、やはりBaloghの筆力にはいつもどおり感心したので★4つ。
以下、(シリーズものということで)自分のために、あらすじ兼主要登場人物の関係をまとめてみましたが、本作のネタばれになります。この作品はミステリアスなプロローグから始まりますので、そこから味わいたい方はパスして下さいませ。
ある日、貴族が立ち寄ることなどない田舎町Throckbridgeに、Lyngate子爵と彼の秘書が訪れる。二人の使命はようやく探し当てたMerton伯爵の後継者をWarren Hallに連れていくことだった。 村で開催されていたバレンタイン・デイを祝うアセンブリーで、ElliotとVanessaは初めて顔を合わせる。互いの第一印象は最悪だったが、Elliotがこれから負わなければならないHuxtablesへの責任を考えたとき、最善の策は長女のMargaretと結婚することだった。過去の男性への思いを断ち切れないでいるMargaretに愛のない結婚をさせるわけにはいかないと考えたVanessaは、姉の代わりに自分と結婚してくれとElliotに申し出る。言うことは生意気だし、外見的にも全然魅力のない女なのに・・・と思いつつ、ElliotはVanessaの申し出を受け、正式に彼女にプロポーズ。二人の結婚生活が始まる・・・
<登場人物と相関関係>
一男三女のHuxtableファミリーは、8年前に牧師だった父親を亡くし(母はそれ以前に他界)、シュロプシャーのThrockbridgeという小さな村で約しく暮らしていた。長女のMargaretは、「親代わりとなって妹や弟の面倒をみる」という父親との約束を固く守り続けているため、非常に美しい容姿に恵まれながらも25歳の今も独身。三女のKatherine(20歳)は濃いブルーの瞳が魅力的な美人で、長男Stephen(17歳)も長身でブロンドの美男子だったが、二女のVanessa(24歳)に限っては特徴的なところが全くない平凡な容姿。Vanessaは21歳の時に隣人である準男爵の次男と結婚したが、1年半前に未亡人となり、その後も義理の父母の家でに暮らしていた。
Huxtableきょうだいの祖父(故人)はハンプシャーのMerton伯爵の二男だったが、放埓な生活ぶりを父から非難され、選んだ女性との結婚も認めてもらえなかったため、事実上勘当されたかたちで、伯爵家とは疎遠になっていた。
先々代Merton伯爵には二人の息子がいたが、長男Constantine(Con)は両親が正式に結婚の手続きをとる二日前に生まれてしまったという理由で法的には非摘出子となり、相続権利を持たない。伯爵(Conの父親)が亡くなった後、形式上二男のJonathan(Jon)が短期間爵位についたが、生まれつき障害をもっていたため(ダウン症候群と思われる)16歳の若さで亡くなる。
Elliot Wallance(Lyngate子爵)は、一年半前の父親の急死に伴い、爵位に伴うすべての責任を一身に背負うこととなる。そこにはMerton伯爵Jonの後見という重要な役割も含められていた。ElliotとConは母方のいとこ同士で兄弟のように育ってきたが、Elliotが爵位を継いだころから二人の関係がこじれはじめ、Conのある悪行を知ったElliotは彼をを許すことができない。Jonが亡くなった後、Elliotの第一の使命は、まったく行方が分からない新しいMerton伯爵(Stephen)を見つけ出すことだった。
以下、Huxtableシリーズ、2作目以降の発刊予定です
Then Comes Seduction (Huxtable Quintet)
- 作者: Mary Balogh
- 出版社/メーカー: Dell
- 発売日: 2009/03/24
- メディア: マスマーケット
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
At Last Comes Love (Huxtable Quintet)
- 作者: Mary Balogh
- 出版社/メーカー: Dell
- 発売日: 2009/04/28
- メディア: マスマーケット
- クリック: 11回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
- 作者: Mary Balogh
- 出版社/メーカー: Delacorte Press
- 発売日: 2009/05/19
- メディア: ハードカバー
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (2件) を見る