The Importance of Being Emma

The Importance of Being Emma (Darcy & Friends)

The Importance of Being Emma (Darcy & Friends)

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★★★★★
romantic fiction >contemporary> Choc lit  (re-telling of Jane Austen's Emma

Mark Knightley – handsome, clever, rich – is used to women falling at his feet. Except Emma Woodhouse, who’s like part of the family – and the furniture. When their relationship changes dramatically, is it an ending or a new beginning?

Emma’s grown into a stunningly attractive young woman, full of ideas for modernising her family business. Then Mark gets involved and the sparks begin to fly. It’s just like the old days, except that now he’s seeing her through totally new eyes.

While Mark struggles to keep his feelings in check, Emma remains immune to the Knightley charm. She’s never forgotten that embarrassing moment when he discovered her teenage crush on him. He’s still pouring scorn on all her projects, especially her beautifully orchestrated campaign to find Mr Right for her ditzy PA. And finally, when the mysterious Flynn Churchill – the man of her dreams – turns up, how could she have eyes for anyone else?

昨年12月に出版されたイギリス人作家、Juliet Archerのデビュー作。 J.オースティン作「エマ」の現代バージョンです。
えーっと、ジャンルをchoc litと書きましたが、決してchick litの書き間違いではないですよ。 choc litという新しいカテゴリーなんです。 Choc lit- Where heroes are like chocolate - irresistible! と紹介されておりますが、いくつかの基準を満たせば、Georgette HeyerやJulia Quinnなどもchoc litのカテゴリーに推薦することができるようです(私はまだ読んだことないですけど、Kresley Coleの作品もありますね)。
 The Importance of Being Emmaは、なんというか、chick litのwittyな軽快さと、いわゆる「ロマンス小説」のロマンティック度の高さ&ヒーローの存在感の大きさが合わさったような作品。もっと感覚的に表現すれば、chick litとロマンスを一緒に溶かしてハート型に固めたのチョコレート・・・とでも言いましょうか。page turnerでとっても面白い作品でした。
冒頭、14歳のEmmaが25歳のMark Knightleyに失恋するという原作にはない興味深いシーンで始まりますが、このあたり、なかなか上手いです(amazonで読めます)。 
そして8年後・・・
言わずと知れた二人の恋の展開が待っているわけですが、「エマ」の重要なPlotをベースに、巧みに脚色されています。オースティンの原作ではあくまでエマが主人公ですが、この作品はEmmaとMarkの二人が主人公。 Emma-Mark-Emma・・・と、ナレーターが交互に替わるという珍しいスタイルで書かれていて、(最初のうち、多少読みにくく感じたけれど)EmmaとMarkの双方の心情がよくわかります。MarkがEmmaへの感情を自覚し始めるのが意外と早かったので、二人の気持のすれ違いが面白くもあり、ちょっぴりイライラしたり切なかったり…ロマンス要素の多いところが良かったです(“warm”なラブシーもあります)。
もちろん、Emmaのmatchmakingの対象となるHarrietやMr.Elton、Markを猛烈に嫉妬させるFlynn Churchill(Frank@エマ)も登場します。その他、Markの恋人Tamaraやパパ・ナイトリー氏など、「エマ」には登場しない脇役も加わり、人間模様の面白さという点でも期待を裏切らない作品でした。
私にネイティブ並みの英語力があったら、倍笑えたかも・・・と思うけれど、それでも十分楽しませてもらいました。
オースティン原作のドラマや映画が好きなかたは、ぜひ著者のウェブサイトを訪ねてみてください。JAのユーモアのセンスが光ってます。ヒーローを演じたコリン・ファースマシュー・マクファディン、JJ.フィールドなどに語らせている台詞は爆笑ものです(ただし映画やドラマを見たひと限定・笑)。
Choc litのサイトにある「ヒーローインタビュー」も可笑しかったです→Choc Lit Interviews Mark Knightley!

二作目は「説得」の現代バージョンとのこと。JAなら、きっとまたエンターテイメント性の高い作品を書いてくれるだろうと待ち切れない気持ちです。期待を込めて★5つ!

追記:ジェイン・オースティン・コレクション エマ [DVD]エマ [DVD]
オースティンの「エマ」がまたドラマ化されるそうです。脚本はNorth and SouthやJane Eyreを手掛けたSandy Welch。今年の秋にBBC1で放映予定。パルトロウの映画とケイト・ベッキンセイルのドラマ(ともに96年頃)以来ですね。Mr.ナイトリーが素敵だと良いなぁ。