It Happened One Night (Anthorogy)

It Happened One Night

It Happened One Night

It Happened One Night contains four novellas all with the same premise: a man and a woman who have a past, but haven't seen each other for ten years, wind up staying at the same inn for a period of 24 hours. While each story has the same premise, the results are wildly different.

各編のあいだに他の読書を挿んだりしながらも、ようやくアンソロジーを読み終わりました。4編とも面白かったです。気が向いたので(笑)あらすじを書きますが、何せ短編なので、多少ネタばらしになってしまうかも…。     
The Fall of Rogue Gerrard by Stephanie Laurens
★★★★
ヒーローのRobert "Rogue" Gerrard と ヒロインLydia Makepeace は幼なじみ。Lydiaが16歳、Roが22歳の時に初めてKissを交わしますが、まだ一人の女性に身も心も捧げる心の準備ができていなかったのRoは、予想していなかった感覚に怖じ気ずいてLydiaの元から逃げ出してしまいます。そのあと放蕩を重ね、Robert "Rogue" なんていうニックネームも頂戴していまいます。今はそんな生活にも飽き、まっとうな日々を過ごしているけれど(Reformed Rakeってやつ)周囲にはまだ放蕩者で通っているRo。 ある日、悪天候のせいで立ち寄った宿で10年ぶりにLydiaと再会。Lydiaが妹の評判を守るためにあるリスクを冒そうとしているのを知り、手助けすることに…。
このプロットなら10年ぶりの再会というドラマチックな設定じゃなくても別にいいんじゃない?と思いながらも、楽しませてもらいました。


Spellbound by Mary Balogh
★★★★☆
裕福な家庭の娘だったNoraは、18歳の時に父親の秘書をしていた21歳のRichardと恋に落ちます。父親に好きでもない男性と結婚させられそうになっていたこともあり、二人は駆け落ちします。Scotlandで結婚した二人ですが、Noraの父と兄が後を追ってきて、結婚を無効にし、二人の仲を引き裂きます。互いを誤解したまま10年ぶりに再会する二人。Noraは父親の経済破綻によりコンパニオン等の仕事をしてきましたが、その職も失い、いまは一文無し。対するRichardは男爵の爵位と遺産を相続し、二人の立場はすっかり変わってしまいました。馬車の事故により、二人は偶然同じ宿に滞在するはめになります。ちょうど村で行われていた五月祭を一緒に楽しみ、話をするうちに過去の誤解が解けていきます。Baloghらしい、しっとりとしたお話でした。


Only You  by Jacquie D'Alessandro
★★★★☆
子爵令嬢のCassieと使用人Ethanは、同じ屋敷で育ち、実らぬ恋に落ちます。 結局ある伯爵と結婚したCassieでしたが、結婚生活は最悪でした。未亡人となったCassieは、実家に戻る途中、勇気を振り絞ってEthanに会うために彼が経営する宿に立ち寄ります。伯爵夫人となった彼女が裕福で幸福な生活を送っているとばかり思っていたEthanにとってCassieの告白話は意外でした。
二人が熱い一夜を過ごすことになるシーンは、Cassieが結婚生活で得られなかった愛情を注ぎたいというEthanの気持がよく伝わってきて良かったです。Red Roses Mean Loveでは不満ばかり書きましたが、私にとって2作目のD'Alessandroのロマンスはなかなか良かったです。


From This Moment On  by Candice Hern
★★★★★
ヒロインは "Merry Widows" シリーズ(未読)に登場する公爵未亡人、 Wilhemina。とても重い過去を背負っています。ヒーローのCaptain Sam Pellowとはティーンエイジャーの時に恋に落ちますが、運命に引き裂かれることに…。その後、WilleもSamもほかの相手と結婚し、まったく別世界で人生を歩んできました。それから25年後の再会なので二人とも40代。この年齢設定はヒストリカルロマンスでは珍しいと思います。正確には25年の間に二人は別の状況で何度か再会しているので、最後に会ったときから10年後になるのですが、以前は互いの状況や思いを理解し、誤解を解くチャンスはありませんでした。今回は同じ宿で24時間を過ごすうちに、互いに理解を深め、変わらぬ愛情を確認します。しかし、Wilheminaは自分の過去のせいでSamと縁りを戻すことは不可能だと考えます。
この話、長編で読んでみたいものです。25年という歳月の出来事を短編で語るのはちょっともったいない…ヒロインの過去には切なくて涙、ラストはうれし涙でした。